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房室結節リエントリー性頻拍に対する段階的アブレーション法 -房室ブロックのリスクを最小限にするアプローチ-

2022年1月1日から2024年9月30日に、当院で房室結節リエントリー性頻拍に対するカテーテルアブレーションを受けた方へ

 

研究実施のお知らせ

 

研究の題名:房室結節リエントリー性頻拍に対する段階的アブレーション法 -房室ブロックのリスクを最小限にするアプローチ-
研 究 期 間:医学域長の許可日~2025年9月30日
研究責任者:山梨大学医学部循環器内科学講座 学部内講師 黒木 健志

 

山梨大学医学部では、上記課題名の研究を行います。当院では共同研究機関として本研究に参加しております。「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和4年4月1日施行)に基づき、加工された情報(診療録等)の研究利用について、以下に公開いたします。

 

【研究の目的と意義について】
心臓は血液を送り出すポンプの役割を果たしており、心房という補助ポンプと心室というメインポンプから構成されています(図1)。心臓組織の大部分は筋肉から成り立ちますが、その中には刺激伝導系という電線のような組織があり、心房の収縮が終わるとヒス束という1本の電線を介して心室へ電気信号が伝わり、心室が収縮する仕組みとなっています。発作性上室性頻拍症の約半数は房室結節リエントリー性頻拍症(AVNRT)といわれています。AVNRT患者さんにおいては、心房からヒス束に至る経路が2本(速伝導路と遅伝導路)あり、通常時は電気信号が速伝導路のみを通過しますが、時に電気信号が遅伝導路を通り、速伝導路を戻ってくることで電気回路が旋回し、頻拍発作が起こります(図2)。AVNRTに対するカテーテルアブレーションは従来からこの遅伝導路に対して焼灼を加えることで根治可能であることが知られています。一方で遅伝導路はヒス束に近接しているため、ヒス束から心室へ至る経路に影響が及ぶと心房からの信号が心室に伝わりにくくなり(房室ブロックといいます)、場合によってはペースメーカの植込みが必要なほどに脈が遅くなってしまう可能性があります。近年三次元マッピングというシステムが開発され、心臓内の電気信号の伝わりかたを3次元的に描出することが可能になりました。同システムを活用してアブレーションを行えば、房室ブロックのリスクを低くすることできる可能性があります。
本研究の目的は、AVNRTと診断された患者さんにおいて、3次元マッピングを使用して速伝導路および遅伝導路を描出し、遅伝導路のヒス束から遠い部位からアブレーションを行うことで、安全性・有効性の高い新たな治療標的部位を確立することです。本研究によって、従来の治療標的部位よりもヒス束がから遠いところで有効な治療が可能であることが示されれば、AVNRTに対するアブレーションにおける房室ブロックのリスクを低下させることが期待されます。
図1
図2

 

【研究の方法について】

発作性上室性頻拍症に対してカテーテルアブレーション予定の患者さんを対象とします。そのうち治療中にAVNRTと診断された場合、三次元マッピングシステムを用いて頻拍回路の構成要素である速伝導路・遅伝導路を描出して、遅伝導路のうち比較的His束から遠い部位からアブレーションを開始します。成功しない場合は段階的にHis束に近い部位へ焼灼部位を移動させていき、最終的に頻拍が誘発されなくなった部位を成功部位とします。術後は一般的なフォローアップを行います。目安としては術後1か月、6か月、1年で心電図を、術後1年でホルター心電図を行い、再発の有無をチェックします。
本研究は多施設で行われるため、共同研究施設および研究協力期間で収集された診療情報等のデータは主研究施設である山梨大学へ集められ、データ解析が行われます。

 

【利用する情報について】
〈対象となる患者さん〉
AVNRTの患者さんで、2022年1月1日から2023年9月31日の間にカテーテルアブレーションを受けた方
〈利用する情報・項目〉
情報:診療録情報、検査データ
なお、この研究に必要な臨床情報は、すべて診療録より取り出しますので、改めて患者さんに行っていただくことはありません。
情報は個人情報がわからないように加工した上で、研究代表機関である山梨大学へDVD等の電子媒体によって提供されます。

 

【情報を利用する者の範囲について】
この研究は、多機関共同研究として、以下の共同研究機関で実施されます。
この研究で使用する情報は、すべて各機関においてオプトアウト(研究対象者等へ通知し、又は研究対象者等が容易に知り得る状態に置き、研究参加を拒否する機会の提供)により入手し、個人情報がわからないように提供元で加工を済ませたものです。

 

・研究代表者
所属:山梨大学医学部 循環器内科学講座 職名:学部内講師 氏名:黒木 健志
・共同研究機関及び研究責任者
所属:水戸済生会総合病院 循環器内科 職名:最高顧問 氏名:青沼 和隆
所属:山梨厚生病院 循環器内科 職名:副診療部長 氏名:中川 和也
所属:筑波記念病院 循環器内科 職名:診療部長 氏名:井川 昌幸

 

【情報の管理に関する責任者について】
山梨大学医学部循環器内科学講座 学部内講師 黒木 健志

 

【個人情報の取扱いについて】
収集したデータは、誰のデータか分からないように加工した上で、統計的処理を行います。国が定めた倫理指針(「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」)に則って、個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。

 

【利益相反について】
この研究は、山梨大学で管理されている研究費を用いて実施いたします。この研究のために、企業等からの資金提供はありません。したがって、この研究の計画、実施、発表に関して可能性のある利益相反は存在しません。また、研究責任者及び分担研究者は、利益相反について本学医学研究利益相反審査委員会に申告し、適切な実施体制であることの審査を受けております。

 

【お問い合わせ等について】
この研究へのご協力は、患者さんご自身の自由意思に基づくものです。この研究への情報提供を希望されないことをお申し出いただいた場合、その患者さんの情報は利用しないようにいたします。ただし、お申し出いただいた時に、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。情報の利用を希望されない場合、あるいは不明な点やご心配なことがございましたら、ご遠慮なく下記連絡先まで、メール又はFAXにてご連絡ください。この研究への情報提供を希望されない場合でも、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。
また、患者さんや代理人の方のご希望により、この研究に参加してくださった方々の個人情報および知的財産の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことや文書でお渡しすることができます。希望される方は、以下までメール又はFAXにてご連絡ください。

 

〈お問い合わせ等の連絡先〉
代表機関の窓口
山梨大学医学部循環器内科学講座 学部内講師 黒木 健志
メールアドレス:kkuroki@yamanashi.ac.jp
FAX:055-273-9590

 

当院の窓口
山梨厚生病院 循環器内科 副部長 中川 和也
メールアドレス: kazuyan@kosei.jp
FAX: 0553-22-4707

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