公益財団法人山梨厚生会理事長 有泉 憲史
山梨厚生会は、長年わが国の死因第1位を占めてきた結核から大勢の人々の命を救うために、法令に基づき公益法人として1951年に設立されました。結核は伝播性疾患であることから、開設にあたっては当時いろいろな意見があったと聞いています。半世紀以上が経過した現在、COVID-19は私たちに様々な問題を提起し続けていますが、一方で感染症医学は遺伝子解析による診断法とワクチン開発、新しい作用機序の治療薬、疫学的根拠に基づいた社会水準での予防対策が行われるようになり、他分野の医学も科学の知見も、技術とともに飛躍的に発展し、社会情勢も大きく変化しました。
このような長い年月と医学の発展の歴史を経ても 「医療者として人々に謙虚に尽くし、自らを守れない状況にある大勢の人々を守る」 という私たちの基本姿勢は全く変わっていません。私たちの医療活動の全ての原点はここにあります。
私たち山梨厚生会の存在意義は、人々の健康と幸福のためにあります。私たちは人々の健康と命を守り、公共の利益を重んじ、社会に貢献します。どのようなときもやさしい人間であり続け、心から親切に人々に接し、すべての行動において丁寧であること という山梨厚生会の理念と、公益法人が果たすべき社会貢献への使命感は、現在直面している、また今後遭遇していく大きな変化や波にあっても、迷うことなく県民の健康と幸福のための正しい進路を示し続ける、私たちの最も大切な指針です。
私たちが行う医療は、平素からの関係機関各位のご協力があって成立しています。県民・市民の皆様、関係各位の皆様には、山梨厚生会と県民医療の発展と継続のため、今後ともご指導とご鞭撻を切にお願いいたします。