【日本病院薬剤師会関東ブロック第38回学術大会 発表】

「色線の使い分け」に関するアンケート調査

 

甲州市立勝沼病院1),財団法人山梨厚生会山梨厚生病院2)

○藤原徳仁1),井上学2),藤井彩子1),雨宮美智子2)

【はじめに】平成19年9月より当院においても院外処方せんを発行することとなり、これを期に、持参薬確認は原則として薬剤師が全て行う事となった。持参薬確認をするにあたり、各施設から持ち込まれた持参薬に引かれた「色線」の統一性が無いことに気が付いた。

【目的】当院の規則と異なる色線を引かれた持参薬が院内に持ち込まれることは、医療過誤にもつながる可能性があると感じ、当院が在る峡東地区で「色線の使い分け」の調査を行った。また、当院での職種間における「色」に対しての意識調査も併せて行った。

【方法】36施設(峡東地区:病院6施設,調剤薬局30施設)を対象に「色線の使い分け」に関するアンケート調査を行った。また、42名(医師2名,看護師21名,看護助手4名,理学療法士3名,臨床検査技師1名,栄養士3名,事務職6名,薬剤師2名)を対象に「色」に対しての意識調査を行った。

【結果】アンケート回収率78%(28施設)「色線の使い分け」は各施設間で違いがみられ、服用時間以外でも様々な用途で「色線」が用いられていた。「色」の意識調査では、投薬に関わる「看護師」は院内規則に沿った服用時間の色を連想する率が多く、その他の職種ではかなりの違いがみられた。

【考察】「色線」の統一化はリスク軽減に繋がると考えられるが、現状での各施設における用途を考えると容易ではない。持参薬の使用や再分包等の問題を踏まえた上で、薬剤師が更なる安全管理と薬剤の適正使用に関わって行きたい。

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