ポスター発表

【日本病院薬剤師会 関東ブロック第38回学術大会 発表】

シベンゾリン錠の増量による低血糖の発現症例

 (財)山梨厚生会 塩山市民病院 薬局 山梨厚生病院 薬局2

○朝倉 寛達 清水 初美 雨宮 美智子

【緒言】シベンゾリンの副作用で低血糖が知られている。今回、シベンゾリンの増量と腎機能の低下によって低血糖値を示した患者さんを経験したので報告する。

【症例】81歳 女性(H 142.4cm BW 66.8kg) 拘束性心機能障害(心外膜炎疑い)で入院。心嚢液貯留、全身浮腫、頻脈の症状あり、シベンゾリン(100mg)3T3×、他に利尿剤、強心剤等を投与。入院中にシベンゾリンを(100mg)4T2×に増量してから、FBSが100mg/dl→51mg/dlに低下。2週間後のFBSでも54mg/dl。その後、心疾患の病状悪化により、シベンゾリンを含む内服を中止し注射薬管理になり、TPNも開始となった。
それ以降の血糖値は上昇し100mg/dl台で安定した。「シベノール錠RTDM推定サービス」による「400mg 2×」服用期間の血中濃度の推定値は、ピーク値/トラフ値:増量後1回目769.1/352.0ng/ml、2回目1010.3/582.8ng/mlであった。(この期間のCr値:1.1〜2.0mg/dl)

【考察】シベンゾリンはKATPチャネルを抑制しインスリンを分泌させることが知られている。その抑制作用は血中濃度依存であるため、増量時の1日量が腎機能に対して多かったこと、また「300mg 3×」→「400mg 2×」の変更で1回の投与量が増え、Cmaxが高くなったことが重なり、シベンゾリンの血中濃度を上昇させ低血糖を誘発したと思われる。「シベノール錠RTDM推定サービス」による「400mg 2×」の血中濃度(ピーク値・トラフ値)の推定値でも、治療域のピーク値800ng/ml・トラフ値250ng/mlの上限を超えており、過量域に入っていることが予想される。

【結語】 [Web版「シベノール錠RTDM推定サービス」http//www.toaeiyo.co.jp/]は、腎機能を指標として患者さんごとに推奨投与量を推定できるため参考になる。

今回の発表で、同じような経験をしたという薬剤師の先生の話もいただきました。血糖を降下させてしまうという、本来期待していない作用を示してしまうということは、多いことでもありませんが決して少なくないと思いました。

 今回の報告により、多くの施設でも投与量の注意と症状の確認がおこなわれ、より安全で有効な患者さんの治療につながれば幸いと感じています。

ポスター発表

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【 日本医療薬学会 第18回日本医療薬学会年会 発表 】
でのポリスチレン溶解現象と分析
及びポリスチレンを溶解する他の薬剤例


−薬剤の懸濁に用いる器具の材質への注意−
(財) 山梨厚生会 塩山市民病院 薬局1 
○朝倉寛達1 三科ますみ1 倉田なおみ3 伊藤喬4 雨宮美智子2
昭和大学薬学部薬学教育推進センター3  昭和大学薬学部薬化学教室4

【緒言】によるポリスチレン(PS)製のマドラーの溶解現象についての報告は以前おこなった。今回、その溶解液についてのNMR解析をおこなった。また、以外の薬剤においてもPSの溶解現象を起こすものがあるため追加報告する。

【方法】@900mg5粒)に水(2ml)を加えた液体と900mg5粒)に水(2ml)を加えPS製マドラーを入れ1日室温で放置した液体のそれぞれを酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し留去。その各サンプルの1H-NMR13C-NMRを測定した。また、比較のためにPS製マドラーはベンゼンに溶解し重ベンゼンC6D61H-NMRを測定した。Aセルベックス細粒0.5g)、ゲファニールカプセル100mg1cap)をそれぞれ簡易懸濁法の操作で55℃の温湯20mlを入れたカップで懸濁し、発泡ポリスチレン片(2×7×0.1cm)で撹拌して浸けたまま経過を観察した。

【結果・考察】@1H-NMR13C-NMRの主成分であるEPAと思われるピークが確認できた。EPA自体に変化はなく、PS由来と考えられるシグナルが生じた。PS製マドラーの重ベンゼン中での1H-NMRとの比較では、観測されたシグナルに対応する大きさで同パターンのPSのシグナルが観測された。を水に懸濁させてある時間を経過すると、水に溶解しないEPAが水の上層に分離しその部分でPSが溶解していると想定される。Aセルベックス細粒、ゲファニールカプセル20分経過頃から発泡ポリスチレン片を溶解した。カップ(ポリプロピレン製)の外観変化はなし。

【結語】PS製器具にはマドラーやコップ等があり、薬剤の懸濁にそれらを用いると劣化させてしまう。また、溶解現象そのものが患者さん・医療従事者に不安を与えかねないため、PS製品を避けるべきである。


【日本病院薬剤師会 関東ブロック第38回学術大会 発表】


簡易懸濁法 (SS) 配合変化表の作成と運用

() 山梨厚生会 塩山市民病院 薬局1 山梨厚生病院 薬局2
○橘田昌人1 三科ますみ1 朝倉寛達1 清水初美1 雨宮美智子2

【緒言】投与時に薬剤を水に入れて崩壊・懸濁させる簡易懸濁法 (SS法) では、同時に多剤を懸濁させることによる薬剤間での配合変化が懸念される。未だ薬剤間での相互作用を調べた報告は少ないが、今現在報告されている情報をもとに、当院採用薬についてSS 法の配合変化表を作成し、より安全な SS 法実施のため、薬局内で運用することを目的とした。

【方法】(株) じほう社から出版されている「経管投与ハンドブック」、「簡易懸濁法 Q&A」をもとに、今回は当院採用薬で SS 法が可能な内服薬 75 品目 について配合変化表を作成した。

【結果】処方薬に対しての配合不可薬品を、不可理由とともに一覧にして、その薬品が処方された時の対応 (投与間隔など) を色分けして表を作成した。また、定期処方について、SS法が施行されている入院患者 (約40人) の配合変化を調査したが、問題となる処方はなかった。臨時処方については、マグミット投与中の患者にフロモックスが処方されることがあり、このような場合は配合変化表を活用し、看護師に別々のシリンジで薬を懸濁してもらうように提案することができた。

【考察】今回、配合変化表を作成したが、実際は余り運用することができなかった。また、利点として、1つの表にまとまっているので、新たに薬剤が追加された時、配合変化がすぐに確認できるといった意見や、欠点として、実際に力価の低下が起きているのか、本当に同時投与が駄目なのか、表からは判断できないといったことや、相互作用の可能性がある薬剤が、1 薬剤に対して多数あるため、逆に使いにくいといった意見が挙げられた。今回作成した配合変化表に対する大勢の先生方のご意見を参考にし、また最新の情報を収集し、より使いやすいものに改善し、運用していくことが今後の課題である。

【感想】SS法の関心は高く、2 日間を通して多くの先生と、意見交換をすることができた。
まずは、今後の方針として、調剤監査システム にSS法の配合変化表の情報を組み込むことによって、画面監査時でも確認できるようなシステムを作成している所です。







ポスター発表

       【日本病院薬剤師会 関東ブロック第38回学術大会 発表】

高脂血症治療薬の飲み忘れに関する実態調査

(財)山梨厚生会 塩山市民病院 薬局1 山梨厚生病院 薬局2
○池田直樹1 中村伸子1 朝倉寛達1 清水初美1 雨宮美智子2

【目的】夕食後に高脂血症治療薬を服用している患者さんから、「夕食後に飲み忘れた時は、寝る前までに飲めばいいと教えてくれなかったから、何日も薬を飲めなかった」との苦情が寄せられた。そこで他の患者さんにどの程度飲み忘れがあるのか、また飲み忘れた時どのように対処しているのか調査した。

【方法】調査期間:平成20年2月の1ヶ月間。 
対象患者さん:夕食後に服用する薬剤が高脂血症治療薬(クレストール、ベザトール、メバロチン、リバロ、リピディル、リピトール、リポバス、ローコール)のみの外来患者さん。調査内容:現在処方されている高脂血症治療薬の飲み忘れの有無、また飲み忘れがある患者さんには対処方法を薬局の窓口にて口頭で尋ねた。

【結果】136人の患者さんに調査した。約56%の患者様に飲み忘れがあった。また、飲み忘れることがある患者さんの、約70%の方が「1回分抜かして飲まない」、約14%が「寝るまでの気付いた時に服用する」、約15%が「翌日の朝食後に服用する」という回答を得られた。

【考察】夕食後に服用する高脂血症治療薬を飲み忘れることがある患者さんは、約半数以上いることがわかった。飲み忘れる患者さんの多くは、1回分服用していないことがわかった。「1回分抜かして飲まない」患者さんに、飲み忘れたときの対処方法について指導することで、アドヒアランスの向上が考えられる。初めて処方された患者さんに飲み忘れた時の対処方法を説明する、また、他の患者様に対しても飲み忘れについて確認をするなどして、今回の調査結果を今後の日常業務に活かしていきたいと思う。

【感想】今回調査の対象となった患者さんには感謝の意を表する。今回の調査で、飲み忘れの経験がある患者さんは全体の約半数いることがわかった。今後は、飲み忘れを減らせるような説明をしていきたいと思う。

ポスター発表