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第17回日本医療薬学会年会発表

【第17回日本医療薬学会年会発表 平成19年9月30日 群馬県前橋市】

 

エパデールSによるポリスチレンの溶解現象
簡易懸濁法に用いる器具の材質の問題点 ― 

 

○朝倉寛達1 三科ますみ1 倉田なおみ3 雨宮美智子2
(財)山梨厚生会塩山市民病院1 山梨厚生病院2
昭和大学薬学部薬学教育推進センター3

 

 

【目的】

当院にて、簡易懸濁法の崩壊操作の試行のなかで、エパデールS®をカップの中に投入し、攪拌するために用いたマドラー(ファーストフード店でコーヒーの購入時に添付されるもの)を浸けたまま放置したところ、マドラーが溶けていることに気付いた。この現象を検証するために、マドラーの材質を調査し、同じ材質の物を用いて溶解実験を試みた。

 

【方法】

マドラーの材質調査:ポリスチレン(材質表示記号:PS)・・・購入店本部お客様相談室より回答
倉田式簡易懸濁法の操作法で、エパデールS®900mgを55°Cの温湯20mlに投入し、ポリスチレン製のマドラー(15cm)と発泡ポリスチレン片(5×15×0.1cm)を用いて攪拌し、 浸けたまま放置。その後の経過を観察した。

 

【結果】

マドラーは、45分後に表面が溶け始め、4時間後にスプーン部分が軟らかく変形し、8時間後には泥状に形がわからなくなるほど溶解した。発泡ポリスチレン片は、浸け始めから微泡を出し、30分後にほぼ全体が溶解した。カップ(ポリプロピレン製)の外観変化はなし。

 

【考察】

1.エパデールS®は、ポリスチレン製品を溶解してしまうことがわかった。原料 のスチレン(単量体)
  はシックハウス症候群との関連性が疑われている。スチレンの発がん性は2B(発がん性があるかも
  しれない)に分類され、健康への影響も考えられる
2.この現象から、処方にエパデールS®が含まれる場合は、『材質表示が「PS」「ポリスチレン」
  「スチロール樹脂」の器具』(マグカップ・計量カップ・使い捨てスプーン・マドラー等)の
  使用を避ける必要がある。使用する材質として金属製、陶器製、ガラス製が 望ましいと思われる。
3.簡易懸濁法は、病院内に限らず、施設や在宅でも急速に広まりつつある。投与する当事者が身の
  まわりの器具を用いてしまう可能性も考えられるため、使用する器具の材質への注意をしていか
  なくてはならない。

 

【実験】エパデールS®とポリスチレン製のマドラーの溶解実験
溶解実験準備 溶解実験_投与直後 溶解実験_15分後
溶解実験_45分後 溶解実験_4時間後 溶解実験_8時間後
溶解実験01 溶解実験02
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